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聖徳太子絵
来迎阿弥陀絵
阿弥陀三尊絵
指定種別(員数) | 絵画(3幅) |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市中興乙 |
所有者または管理者 | 西蓮寺 |
金井地区中興の西蓮寺が本尊として安置する絵像3幅である。制作年代はいずれも南北朝時代と推定される。
「聖徳太子絵像」は孝養太子像形式で、上部にすだれ幕があり、衣や紐類には鮮やかな朱色が多量に使われている。これは古い時代の太子絵像の特色であり、本願寺が八世蓮如以降に下付した太子絵像と区別できるものであるが、当時の絵像の画材に紙を使用している点は珍しい。
「来迎阿弥陀絵像」は平安時代中期以降の浄土教の発展に伴って数多く作られた阿弥陀来迎図形式で、蓮如以降の本願寺系の阿弥陀絵像(方便法身像)が蓮台の上に立ち、48本の後光に統一されているのに対し、この絵は雲に乗り、15本の後光となっている点が特徴である。
「来迎阿弥陀三尊絵像」は中央が本尊阿弥陀如来、左が観世音菩薩、右が勢至菩薩の三尊形式で、雲に乗った来迎図となっている。この絵像の十三光仏や前述の十五光仏などの形式は、本願寺五世綽如(しゃくにょ)の頃の北陸教団の本尊にも多く見られるが、この絵像は古い天台時宗系の浄土信仰の本尊と思われる。