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阿形像
吽形像
指定種別(員数) | 彫刻(2躯) |
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指定年月日 | 平成3年3月29日 |
所在地 | 佐渡市小比叡 |
所有者または管理者 | 蓮華峰寺 |
これらの仏像はともにケヤキ材で、阿形像は寄木造、吽形像は一本割矧造、どちらも各内刳・彩色・彫眼で、像高も208.2〜207.0cmとほぼ同じ大きさである。この内、阿形像はその頭躰幹部を1材から彫り、顎後方の付け根から背面を割矧いて内刳する古風な造りである。一方、吽形像は頭鉢幹部を通じ前後2材を矧ぎ合わせて造り、内刳を施す鎌倉時代通途の技法を用いているのが注意を引く。これは用材の大きさの制約から臨機に新旧技法を併用したとものと思われる。
両像の沈静でやや形式化した表現は鎌倉時代14世紀前半頃の一傾向を示しており、建治2年(1276)の五智如来像(県有形文化財)の造立、元応2年(1320)の扁額の制作、さらには貞和4年(1348)の骨堂(国重要文化財)造営に続く、蓮華峰寺整備興隆の時期に造立されたものと思われる。