本文
指定種別(員数) | 彫刻(1面) |
---|---|
指定年月日 | 平成4年3月27日 |
所在地 | 佐渡市泉 |
所有者または管理者 | 正法寺 |
この面は、室町時代の能の大成者世阿弥が着用して舞ったと伝わるもので、全体に黒漆が塗ってあり、その上から群青色、黒目のふちと眉間・唇の境は朱色、白眼の部分には金泥が塗ってある。能面が完成する以前の表現方法があることから、制作年代は鎌倉時代後期と推定されている。
世阿弥は室町時代前期の能役者・能作者・能楽伝書の著者で、本名を観世元清(かんぜもときよ)といい、阿弥号(時宗系の法名)の「世阿弥陀仏」から「世阿弥」と略称した。永享6年(1434)、72歳の最晩年に佐渡に流された後、万福寺を経て正法寺に移されたと伝えられている。
正法寺の言い伝えによると、世阿弥が干ばつの年にこの面を着けて舞ったところ大雨が降ってきたといい、以来この面を雨乞い用の面として用いるようになったと伝えられている。