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指定種別(員数) | 彫刻(1躰) |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市下川茂 |
所有者または管理者 | 東林寺 |
この仏像は坐像高さ46cm、頭部から台座まで一木から彫り出されたもので、かつては袖口に別に掘り出された両手が差し込まれていたと思われるが、すでに両手部分は失われている。
東林寺は、中世に川茂地域を治めた川茂殿により開基されたと伝わる曹洞宗の寺院である。言い伝えによると、同寺檀那惣代の古東家は川茂殿の家老であったといい、古東家の先祖が九州からこの仏像を持ち込み、同寺の本尊として安置したと伝わる。
この仏像は地方の仏師の作と思われるが、そのおおらかな表情の出来が素晴らしいことに加え、台座裏面に「応永廿九年(1422)の名前と天十月廿二日開山供養」、「施主 口中守兵衛五郎衛門四郎」と墨書されており、以下数名、開山僧の名前などが記されていることから、この地域の中世を解明する上で重要な史料である。