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指定種別(員数) | 彫刻(1躯) |
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指定年月日 | 平成27年5月1日 |
所在地 | 佐渡市長谷 |
所有者または管理者 | 長谷寺 |
この白山女神坐像は、10世紀頃の平安時代前期にさかのぼるものであり、同時代の神像遺品が少ない中で、白山神では最古の例として貴重なものと思われる。像高は54cm、膝張り43cm、カヤの一木割矧ぎ造で、彩色が施されている。両手先が欠損しているが、仏像の手勢である施無畏印と与願印の可能性がある。坐法は半跏坐で、神像としては珍しい。
現在は長谷寺の本堂に隣接する宝物室に安置されているが、『佐渡名勝志』に、寛永期には長谷寺の境内に白山権現社があったことが記されており、元々はその御神体だったのではないかと思われる。欠損部が多く、面相部はやつれており、風雨に曝されていた時期のあったことを思わせる。虫食い跡が広がっているものの、全体的には当初の姿を伝えている。仏像の形式を部分的に取り入れている神仏習合像の一例と思われる。
白山神は天台系とされており、本堂の阿弥陀如来像とともに、かつて長谷寺が天台宗の寺院であったことを示す遺品である。