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佐渡市指定 無形文化財:八幡箪笥製造技術

記事ID:0005118 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

佐渡市指定 無形文化財

八幡箪笥製造技術(やはただんすせいぞうぎじゅつ)

八幡箪笥製造技術の画像

指定種別(員数) 工芸技術(2名)
指定年月日 平成16年3月1日
所在地 佐渡市八幡新町、八幡
技術保持者 萩原弘、伊里栄一

佐和田地区の八幡箪笥は、小木地区の船箪笥(市有形文化財)に並ぶ佐渡の代表的な和箪笥であり、創始は江戸時代と考えられている。

かつての八幡は砂地が多く耕作地の少ない土地であったため、村人は冬場の農閑期に桐細工を行っていた。江戸時代に小木に箪笥の製作技法が伝わると、村人は小木までその技術を習いに出かけたと伝えられている。こうした歴史的背景により、八幡箪笥は、小木で習得した箪笥の製作技術と八幡古来の桐細工が融合して成立した技術と考えられる。

この箪笥の製造には八幡産の桐材を使用し、板と板の接着には飯糊(めしのり、現在は木工ボンド)を使用する。また、釘は普通の鉄釘ではなく木釘を使用し、箪笥の表面には大きな飾り金具を取り付ける。こうして作られる箪笥は外気が入らぬほど精巧に作られており、空の引出しを押し込むと、上下の引出しが空気圧で飛び出してくるほどである。

この八幡箪笥は戦前から昭和55年(1980)頃まで活況を呈し、一時は20人以上の職人が八幡で製作していたが、合板製などの安価な箪笥の普及により需用は次第に減少し、職人も数名を数えるのみとなった。