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たらい舟製作の様子
指定種別 | 民俗技術 |
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指定年月日 | 平成19年3月7日 |
所在地 | 佐渡市 |
所有者または管理者 | 小木たらい舟製作技術保存会、佐渡国小木民俗博物館(事務局) |
たらい舟は長さ150cm、幅130cm、高さ50cmほどのたらい状の木舟で、大樽を半分に切って用いたことから「ハンギリ」とも呼ばれている。成立は江戸時代後期と推定され、佐渡小木海岸(国記念物)の複雑な磯(岩礁)における見突漁や海藻採取などに使用されてきた。
このたらい舟の製作は、まず長さ160cmほどの杉板数枚を竹釘で接合して楕円形に切り取り、ウラと呼ばれる舟底を作る。次にクレと呼ばれる長さ50cmほどの杉板を竹釘で接合して円柱状の側面を組み立てる。これに真竹のカリタガを2本かけてからウラを入れる。次にホンタガ3本を真竹で編んでかけ、最後にウラをはめ込んで完成となる。
また、舟は部材を密着させて水の侵入を防ぐ必要があるが、たらい舟の製作では和船の製造技術に加え、木の腐りにくい面を水に接するように部材を配置したり、タガと竹釘で部材を接合したりするなど、桶樽の製作技術をふんだんに取り入れている点も特徴的である。