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佐渡市指定 記念物:黒沢金太郎窯跡

記事ID:0005198 更新日:2022年1月1日更新 印刷ページ表示

佐渡市指定 記念物

黒沢金太郎窯跡(くろさわきんたろうかまあと)

黒沢金太郎窯跡

指定種別(員数) 史跡(1基)
指定年月日 平成16年3月1日
所在地 佐渡市相川羽田村
所有者または管理者 円行寺、佐渡市

相川地区の相川羽田村にある金太郎焼の窯跡である。金太郎焼は初代黒沢金太郎により寛政12年(1800)に創始され、以来明治初期まで約70年間続いた、近世佐渡における本格的な施釉陶器である。島内の需要に対応した生活雑器の焼成技法と量産技能を確立したことで知られ、作陶された製品は島外にも売り出されたという。

この窯跡は昭和47年(1972)の発掘調査により、窯の構造・規模及び陶器の成形技法などが明らかになり、3期に重複して築造された跡も確認された。この内、最盛期の窯は幅約4メートル、長さ約16メートル、8個の焼成室を有する急勾配の大型登窯であった。その焼成室の規模・煙道の長さなどから、窯は瀬戸・美濃の系譜を引く自然の地形を利用した構造であったと考えられている。

また、出土品は片口・土鍋・擂鉢・甕・植木鉢・焙烙などの生活雑器類とチンガラ・サヤなどの窯道具類で、窯の近くの富士権現の粘土を用い、金銀鉱石の精錬滓であるカラミや土灰を釉薬に使用したものが多く見られる。

佐和田地区窪田の小沢窯跡とともに地方窯の系譜を伝え、佐渡の焼物の研究史における重要な史跡である。