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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 昭和37年3月29日 |
所在地 | 佐渡市北小浦 |
所有者または管理者 | 北小浦地区 |
両津地区北小浦の熊野神社周辺に分布している。社叢はタブノキを主体とし、その樹冠の黒々とした森が磯山を覆う様子から、地元では「小浦の黒森」とも呼ばれており、古くから航海の目標として重宝されていた。
佐渡では暖帯林の主要樹であるタブが海岸地域の各所に点在し、磯山を形成している。中でもこの社叢はタブの極相林として特に規模が大きいとされるもので、林内には樹高15メートル、胸高直径2メートル近いタブの巨木が多数見られる。また、林床にはツバキ・ヤツデ・ヒサカキ・キズタ・ヤブコウジ・カラタチバナ・ムベなどの暖地系植物も多数生育しており、学術上貴重な森となっている。
この森を社叢とする熊野神社は北小浦集落の氏神であり、『佐渡神社誌』によると、創建年代は不明、かつては十二権現と称したが、明治6年(1873)に現在の社号に改めたとある。当初の社殿は社叢の下部、現在の道路の海側にあったが、昭和の県道改良工事の際に社叢の一部が切り開かれて道路が開通し、社殿も現在地に移転・再建された。