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佐渡市では、歴史上、芸術上、学術上価値の高い文化財を保存するため、「佐渡市文化財保護審議会」で調査、審議し、文化財の指定や解除を行っています。
令和7年2月20日(木曜日)に開催された令和6年度佐渡市文化財保護審議会にて、「長者ヶ平遺跡出土品」について審議が行われました。
佐渡市文化財保護審議会の答申を受けて、佐渡市教育委員会3月定例会において議決され、令和7年3月21日に指定が告示されましたので、お知らせします。
| No | 種別 | 名称 | 員数 | 所在地 | 所有者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 |
市指定有形文化財(考古資料) |
長者ヶ平遺跡出土品 | 1,896点 |
佐渡市真野新町 佐渡市宿根木 |
佐渡市 |
長者ヶ平遺跡は佐渡島の最南部(佐渡市金田新田)に位置し、日本海から1.4キロメートル内陸の標高約175メートルの丘陵部に立地します。島内の遺跡の中でもかなり内陸で標高の高い丘陵上に立地した遺跡です。長者ヶ平遺跡は土器や石器が拾えることから、かなり昔から注目されていた遺跡で、過去に数回発掘調査が行われております。昭和55~58(1980~1983)年に行われた保存目的の発掘調査の結果、10,000平方メートルを超す佐渡随一の縄文遺跡であることが判明しました。縄文時代前期末葉~後期初頭(約5000~4000年前)の多量の出土遺物とともに、遺構は竪穴建物6軒、配石遺構(はいせきいこう)11基などが検出し、拠点的な集落跡と判明しました。これらの調査成果などから、昭和59(1984)年には国史跡に指定されています。
出土遺物を見ますと、縄文時代中期前葉(約5000年前)・後葉(約4000年前)を中心に、火焔型土器などのおびただしい量の縄文土器、土偶や耳飾りなどの土製品、磨製石斧・石鏃・石槍・石皿・石棒などの石器が出土しました。
文化財保護審議会にて、出土品が市指定文化財候補となり、発掘調査報告書掲載等の資料の所在確認調査を進め、有識者による実地指導の結果、報告書掲載資料を基本として遺構内出土品を中心に、土器・土製品・石器の中から、残存率が高いもの・希少性が高いもの・長者ヶ平遺跡を特徴づけるものを条件とし、市指定文化財として1,896点を決定しました。

縄文時代中期中葉の土器(火焔型土器)
合わせてご確認ください:佐渡市指定 有形文化財:長者ヶ平遺跡出土品
佐渡市指定文化財の件数は、今回の指定で219件となります。