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2 産業振興と雇用が充実した島づくり(令和3年度:施政方針)

記事ID:0022624 更新日:2021年3月2日更新 印刷ページ表示

[令和3年度]施政方針


2 産業振興と雇用が充実した島づくり

人口減少そのものを問題にするのではなく、人口減少に伴い拡大する地域課題の解決に取り組んでいかなければなりません。特に、市内総生産の低下は経済への打撃はもちろん、雇用の減少、生産年齢人口の減少などに大きな影響を与えます。

このため、生産年齢人口の増加に向け、新たな起業支援や多様な人材が活躍できる仕組みの構築、企業の事業拡大、商品の高付加価値化などを推進し、雇用の創出・拡大を図り、持続可能な産業を目指さなければならないと考えております。

この度、令和3年度より移住交流推進課を新設する条例案を上程し、国の交付金などを最大限活用しつつ、新たな雇用の創出、設備投資、研究開発、人材確保など、佐渡で起業する若者への支援を行なうとともに、ビジネスコンテストの開催やインキュベーションセンターなど企業の受入態勢を整備してまいります。

さらには、移住定住の受入れの拡大と定着を目指すために、一定期間島の暮らしを体験するお試し住宅の増設や空き家の改修整備など、UIターン者が島での生活を気軽に体験できる仕組みの拡大や、小さな負担で移住できるよう受入態勢の整備を進めてまいります。

「佐渡で暮らす、働く」を一体的に整備することにより、「起業の島」、「移住定住の島」として多様な人材が安心して活躍できる島を目指してまいります。

農業につきましては、人口減少に加え、食生活の多様化により、米の消費量の減少や農産物の価格の低迷が続き、農業者の所得の確保が厳しい状況となっております。

また、農業従事者の高齢化や担い手不足による耕作放棄地の拡大など、持続可能な体制づくりに向けて、担い手の確保や自立への支援が急務となっております。

このため、生産コストの低減を図るため、集落営農化、大規模化、複合化など地域の特色に合わせた体制づくりを推進し、法人設立や機械・施設に対する費用の支援に加え、経営計画の作成支援など自立に向けたモデル事業の構築を進めるとともに、ICT技術を活用したスマート農業の開発を進めるなど、里山と共生する自然再生型農業から持続可能な農業への育成を目指してまいります。

また、新規就農者や新たな担い手の確保を目指し、研修園地を造成し、実習から定着に向けてしっかりとサポートしてまいります。

さらに、農業の高付加価値化・持続可能な体制を支える上で、農畜産物のブランド化・地産地消の推進も重要と考えております。このため、認証米「朱鷺と暮らす郷」のブランド力を維持するとともに、おけさ柿やビオレソリエス、佐渡牛などについても、世界農業遺産やジオパーク、生物多様性など「佐渡島」という特長を活かしたブランドの構築を目指します。また、「トキと共生する豊かな里山」のブランド力向上のためにも安全で安心なオーガニックのモデル事業を行うとともに、都市の子どもたちをはじめ、消費者と連携した食育にも積極的に取り組んでまいります。

佐渡の水産物は品質が良いとされていながら、知名度が低くブランド化には繋がっていない現状もあり、新規就業者や担い手の確保が課題となっております。

このため、高価格で取引されるようブランド化の推進と天候や時価に左右されない安定供給に向けた取組を実施してまいります。

安定した供給体制につきましては、価格が予測できるマガキ、マス、海藻類などの養殖漁業の拡大や、新たにナマコやウニなどの試験養殖にも漁業者と連携し、積極的に取り組んでまいります。

様々な海産物の魅力を全国に向け発信するとともに、佐渡市水産業雇用促進センターを最大限に活用し、起業を目指す方への支援のほか、漁業経営体への就業者の確保に向けて取り組んでまいります。

林業につきましては、各事業体の主伐間伐などによる素材生産量が増加傾向にありますが、高性能林業機械や乾燥・加工設備導入が遅れており、品質の均一化や安定供給、佐渡産材のブランド化による販売促進などが課題となっております。また、高齢化、人員不足なども顕著であり、事業体の育成やUIターン者なども含めた人材確保が急務であります。

このことから、機械化による生産力の向上や、コスト削減による経営体質の強化などと併せて、国の森林環境譲与税を活用し佐渡の自然の基礎でもある森林の整備や事業体の人材育成を図ってまいります。また、木質バイオマスを用いた再生可能エネルギーの導入の可能性など、木材の利活用についても民間と連携し、検討を進めてまいります。

観光につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により観光客が大幅に減少しており、その支援策として大きく期待されていた国の「GoToトラベルキャンペーン」が昨年12月28日より一時停止となるなど、日本全体の観光業界をはじめとするサービス業や交通関連事業者が大きな打撃を受けている現状ではありますが、ワクチン接種など感染症の収束に向けた対策を注視し、ウィズコロナでの事業展開を進めながら、アフターコロナに備えた施策を展開しなければなりません。

まずは、昨年の10月、11月に効果を挙げた「GoToトラベルキャンペーン」の再開にあわせた取組や、国の交付金などの支援策を活用するなど受入態勢の強化を図り、加えて、安心安全をアピールする佐渡独自のクリーン認証制度を前面に打ち出すことにより、観光産業のV字回復を目指すと共に、島の自然を活用したスポーツツーリズム、島の生活とともに息づく文化財を活用した文化ツーリズム、ワーケーションなどの新たなニーズの拡大を積極的に展開し滞在型観光の推進を図り、多様なお客様の受入態勢の整備を進めてまいります。

さらに、佐渡アイランドサポーター「さどまる倶楽部」制度を、交流人口拡大の中核的ツールとし、さどまる倶楽部会員限定のだっちゃコインを地域通貨としてリニューアルを図り、滞在期間の延長とあわせ、市内の観光と他産業の連携や経済波及効果を高めてまいります。

また、本年4月から本格稼働する佐渡産直ネット「さどまるしぇ」が佐渡産品購入の拠点サイトとなるよう、多様な佐渡産品を出品するとともに、さどまる倶楽部、だっちゃコインの連携により、市民、観光客も含めた関係人口の構築の拠点サイトとなるような仕組みづくりも令和3年度から進めてまいります。

産業の振興と雇用の確保、さらに観光の活性化に必要なキーワードは「佐渡航路の安定化と空路の確保」であると考えております。

佐渡航路につきましては、離島である本市にとっては生命線であり佐渡汽船株式会社の経営安定化は欠かすことができません。

しかしながら、同社は昨年の決算において債務超過に陥ったことから、公共交通機関として安定的な航路を維持確保するため、行政支援として約3億6千万円を出資いたしました。

これにより、主要株主となった本市は、同社の経営改善の取組状況を定期的にモニタリングし、航路維持に向けた対策を新潟県や対岸市と連携して取り組むとともに、引き続きカーフェリーなどの就航船舶の確保を真摯に検討し、冬場の安定的な輸送体制を維持できるよう努めてまいります。

また、空路につきましては、既存の佐渡空港で就航予定の新会社の動向も見据えて、佐渡と首都圏を結ぶ直行便の実現を目指すとともに、空港2,000メートル化に向けた用地交渉に、引き続き真摯に取り組んでまいります。

市内の生活交通につきましては、地域情勢の変化や輸送需要に応じた公共交通サービスを維持するため、バス路線網の改善とデマンド交通など地域の高齢化や小規模な輸送需要に対応した地域内交通の体制整備と、自動運転の取組に向けた研究など、民間企業と連携を進めてまいります。

 

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